アメリカのデザイン大学院留学 – 受験対策②エッセイ
こんにちは、Takaです。
米国の大学院受験にはエッセイ(Statement of Purpose、通称SOP)の提出が求められます。TOEFLやGRE、GMATといったテストのスコアも大切ですが、これらは基本足切りに使われるだけなので、エッセイが一番重要であると考えてほぼ間違いないです。
もちろん、デザインスクールなのでポートフォリオも大事ですが、私個人の意見としては大学側はエッセイを最も重視していると思います。というのも、トップスクールに出願する学生のデザインスキルは既に世界トップクラスなので、その中でstand outするというのは中々難しいからです。
とは言え、日本で生まれ育った多くの人にとってエッセイは馴染みが薄く、それ故受験プロセスにおいてかなり苦労する部分だと思います。
そこで今回は以下の3つについて書きたいと思います。
- エッセイに取り組む上で大切なポイント3つ (+ おまけ)
- おススメの添削サービス
- 参考になる書籍・エッセイ集
エッセイに取り組む上で大切なポイント3つ
私は過去に某大手留学・受験対策塾でAO受験・留学対策指導、カウンセリング等をした経験があります。
以下は、カウンセリング時に私が大切にしていたポイントの代表例です。
過去と未来をブリッジしよう
これまでとこれから。過去と未来。
この2者間に位置するのが大学院で、点と点を繋ぐ作業がエッセイです。
- なぜ今、大学院に行くことが必要なのか?
- なぜ、そのスクールでなければいけないのか?
学部時代に勉強した分野で働いたが、ネットワークやスキルの伸びしろに限界を感じたため、ステップアップしたいという方。
あるいは、私のように金融からデザインと大幅にキャリアチェンジをしたいといった方もおられると思います。
過去、現在、未来。もちろん人生というのはリニア直線のように描けるような単純なものではありませんが、採用する学校側としては成長意欲が伝わってくる内容、面白い物語の方がワクワクしますよね。
過去に取り組んできたことを棚卸ししたら、ブリッジングに力を入れましょう。
「自分の夢を達成するにはどうしても大学院で学ぶ必要がある。」
「修了後はAやBの分野で活躍したく、そのためにはこのスクールで学ぶ必要がある。」
そんな説得力のあるストーリー構築が大切だと思います。
きっかけとなったイベントを入れよう
上記とも連関しますが、大学院を志望するに至った具体的なきっかけ、イベントを入れると読み手にも伝わりやすいかと思います。
私は前職の投資銀行時代に大手デベロッパーの資金調達をお手伝いさせて頂く機会を得たことで、大学時代に少しかじった程度だった都市計画やランドスケープ分野に対する学術的好奇心が再燃しました。私の場合はこのあたりの話を詳しく、熱量を持って書きました。
エッセイを書く上では過去➟現在➟未来の時系列を意識すると共に、大学院に行きたいと思うきっかけとなったイベントを入れましょう。そうすることで、読み手がグイっと志望者の世界観、ストーリーの中に引き込まれます。
審査する側も人間ですから、大量のエッセイを読んでいると疲れてくるはずです。
相手が読み続けたくなるような物語にするためにも、大学院留学を志望するトリガーとなったイベントを入れることをおススメします。
小説や映画でも何らかのイベントを起点として物語が動き始めますよね。
その仕掛けと同じです。
自分自身のユニークさ、付加価値を伝えよう
自分のユニークさ、付加価値を伝えましょう。
応募者の中でstand outするためには異端であることが武器になります。というのも、専門性が強い大学院留学では興味分野が一定であることから、応募者のバックグラウンドも似通う傾向にあります。
例えばデザインスクールであれば建築や都市工学を大学時代に学び、社会人で経験を積んだような方が太宗を占めます。
そんな中で抜きんでることは容易なことではなく、ユニークであることが武器になります。自分自身のadd valueが何なのか。なぜ大学側はあなたを採る必要があるのか?
このあたりを徹底的に棚卸しし、伝えましょう。
尚、大学側としても多様性を確保する観点でもユニークな人材、異端な人材というのは一定数採るものと考えています。
「金融からデザイン系に簡単に行けるものなのですか?」という質問をたまに受けますが、個人にユニークな価値、付加価値があれば大丈夫だと思います。
事実、キャリアや学びの分野を大きく変えるというのは勇気のいることです。
私自身、周囲の投資銀行の仲間の多くがMBAやロースクールを目指す中、不安でした。
自分なんて・・・。そう不安になりそうなときがあれば、「異端であることは武器である」と考えてみて下さい。
こんなことがやりたい、こんな分野に飛び込んでみたい。そう、心が叫んでいるのですから、その気持ちに蓋をする必要なんて無いですよね。
人生は一回きりですから。
(おまけ) PMになろう
意外と肝心なのが、エッセイを1つのプロジェクトと見立て、きちんとプロジェクト・マネジメント(PM)業務を遂行することだと思います。
ドライバーシートに座るべきは執筆者本人です。
しかし、限られた時間の中で色々な人々に意見やコメントを仰いでいると、自分の軸がぶれそうになるときもあると思います。
ですので、スケジュール管理はもちろんのこと、周囲の多様な意見を吸い上げ、それを能動的にエッセイに活かしていくマネジメント力が大切です。
指摘されているけれどこの点だけは譲れない。この点がユニークだからエッセイから外したくない。そういった場面も実際にあるかと思います。
優先順位を付け取捨選択する力、最後は自分自身で決めきる決定力、勇気、そして自信を持ちましょう。
おススメの添削サービス
前回の投稿で書いた通り、私は大学院留学準備にあたり対策塾を使用しませんでした。
私自身は慶應SFCのAO入試、エディンバラ大学交換留学選考等をはじめ、過去にそれなりの数のエッセイ・志望理由書を日英双方で書いていました。
それでも、大学院への留学にはプロフェッショナル経験で得たことを棚卸しし、かつ将来の夢とブリッジングする必要があり、なかなか苦労しました。
そこで、エッセイだけはTop Admitというオンライン添削サービス(プレミアムサービス)を使用しました。文字数に基づいて都度いくら、というやり方でエッセイを添削してくれます。
コスパがかなり高く、クオリティも申し分無いです。
というのも所謂留学カウンセラーや大手の対策塾はもっと高額ですので・・・。
働きながら留学準備・対策をされている方にとっては、時間の捻出が一番の課題でもあると思います。しかも、エッセイのみならずTOEFLやGMAT・GREがあり、TOEFLだけでも単語やスピーキングの対策等、やることは大量です。
私自身、働きながらの準備でなかなか時間がとり辛く、オンラインで完結するこのサービスはかなり重宝しました。
私の添削サービスの使用履歴
私は3度の添削、計2本を依頼しました。合計約$540。
内訳としては、SOPと出願先1校から別途指定を受けた自身の強み・弱みに関するエッセイの2種類です。
尚、私の担当を受け持ってくれた講師は日本在住経験のあるフレンドリーな人で、添削コメントの末尾に「頑張って!」とありました。
これが結構ほっこりしました。留学準備は時間、自分自身のメンタルとの闘いでもあるので。経験された方、今準備中の方はどれだけ準備が孤独な闘いかお分かりかと思います。
2015年10月17日
Top Admitに登録し、1回目の添削2本を依頼 (それぞれ300-600文字で$149)。
同日中に1本目の添削済エッセイをメールで受領。赤字まみれ、丁寧なコメント付き。
“Too general, vague”などの厳しいコメント、サジェスチョンもあり、これが助かりました。やはり、自分だけだと無い視座だったり、上手い言い回しというのはあるので。
添削から7日以内かつ200文字以内であれば再度の添削”Re-editing Request”、メールでのカウンセリングが無料なので、がっつり依頼。即座にコメントを受領。
2015年10月18日
2本目のエッセイの添削を受領。
これも自分の手元でクイックに手直しを加え、”Re-editing Resuet”を依頼。
1本目と同様、再度の修正も数時間の間に受領。
2015年11月7日
前回の添削を踏まえ、色々と考えて加筆修正をしたエッセイの添削を依頼(900-1,200文字で$239)。
これまた同日中に添削済のエッセイが返却される。出願までの時間も迫っている中、スピーディーかつクオリティの高い対応に感謝。
不明点、質問等に関しメールで数度やり取りをし、ファイナライズ。
参考になる書籍・エッセイ集
エッセイを書くにあたって参考になる書籍もいくつかご紹介しておきます。これらはデザイン大学院のみならず、大学院留学以上を目指す全ての方におススメです。
特に1冊目は日本語で書かれた数少ないエッセイ対策本であり、合格者の実例も多数掲載されています。手元に置いておいて損は無い1冊かと。
最後に
尚、たまに頂戴することがあるのですが、現時点ではエッセイの添削依頼等はお受けしておりませんのでご了承下さい。
私の場合、親しい間柄の友人・知人のみ対応させて頂いています。というのも、その人の人となりみたいたものを理解しているからこそ、SOPに記載されたストーリーが理解でき、的確な意見やアドバイスが出来ると考えているからです。
どうしてもという場合は個別にご連絡頂ければと思います。
以前某ゼミナールでチューターをやっていたので、カウンセリング、コンサルティングという形であればお受けさせて頂くことは可能です。
以上、今回はここまでです。
長くなってしまいましたが、最後まで読んで頂き有難うございました。
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