ケンタッキーでバーボントレイル? – ②エンジェルズエンヴィ蒸留所

アメリカ生活


こんにちは、Takaです。

バーボン蒸留所訪問記の第2回目となるこの記事では、エンジェルズエンヴィ蒸留所 (Angel’s Envy)についてご紹介したいと思います。

エンジェルズエンヴィとは?

エンジェルズエンヴィ。
日本語に訳すと「天使の嫉妬」あるいは「天使の羨望」といったところでしょうか?

何ともお洒落なネーミングですよね。シンプルだけれど洗練されたボトルデザインも憎い。そして琥珀色を通して透けるボトル背面の天使の羽の神秘的なこと。

さて一体どんな銘柄なのでしょうか?

エンジェルズエンヴィの歴史


(蒸留所併設のショップ壁面にはリンカーン・ヘンダーソンのプリント)

エンジェルズエンヴィはブラウンフォーマン社 (ジャックダニエル、ウッドフォードリザーブなどの銘柄を保有)でマスターディスティラーを40年近く務めたリンカーン・ヘンダーソンが息子のウェス・ヘンダーソンと共に2006年に立ち上げたブランドです。

ハンドクラフトへのこだわりやユニークなカスクを使った攻めの姿勢が支持され、アメリカでは人気が急上昇しています。後半でご紹介するポートフィニッシュのバーボンも1度の瓶詰が8~10樽のスモールバッチ、こだわりが垣間見えますよね。

大手で長年経験を積んで学んだ「型」を破りにいく。破るだけでなく、超えていく。そんなリンカーンのアントレプレナーシップは日本的な守破離と通じるところがありますよね。素直にかっこいいなと思います。

バカルディによる買収?

前回ご紹介したサントリーによるジムビーム買収、キリンによるフォアローゼズ買収など世界のプレミアムスピリッツ市場では大手によるポートフォリオ拡充が進んでいます。

エンジェルズエンヴィも例に漏れず2015年にバカルディ社 (Bacardi)に買収されています。

クラフトマンシップのある銘柄や企業が大手の傘下に入るのはどこか寂しい気もしますが、2016年竣工の蒸留所設備投資$27m (約30億円)や新銘柄開発費用の確保といったラショナルがあるのだと思います。

エンジェルズエンヴィ蒸留所を訪れる

エンジェルズエンヴィ蒸留所はルイヴィルの中心地にあります。

前回ご紹介したジムビーム蒸留所 (Jim Beam)が郊外型だとすれば、エンジェルズエンヴィは都市型の蒸留所です。

着工2013年、竣工2016年という新しい蒸留所です。レンガと目地のモルタルを見て頂ければその新しさがお分かり頂けるかと思います。
(仕事柄こういう部分も見てしまいます笑)

尚、2013年7月の着工式はリンカーン、息子のウェス、孫のカイルという三世代共同立ち合いのもと行われたとのこと。これはリンカーンが世をさる2ヶ月前のことでした。

都市型蒸留所のため規模自体は大きくないのですが、新進気鋭のクラフトバーボンの造り手だけあって外装・内部空間共にお洒落にまとめられています。


(蒸留所内部にて)


(蒸留所内部にて)

ツアー料金は$20 (約2,100円)で約1時間。私は前後の移動の関係でツアー開始時刻に遅れてしまったのですが、「もちろんお金も払うので、少しでいいからツアーに参加させて欲しい。」と伝えると受付のお姉さんが無料で通してくれました。感謝。

併せて訪れたいルイヴィル・スラッガー・ミュージアム

ルイヴィル・スラッガー・ミュージアム (Louisville Slugger Museum & Factory)はルイヴィルのダウンタウン中心部にあります。エンジェルズエンヴィ蒸留所からは直線2キロ弱、徒歩で20-25分程度の距離でした。少し時間があったので寄ってみました。

「本社」兼「工場」兼「博物館」なのですが、建物群の正面入り口には上記の通り全長約37メートル (120フィート)の巨大なバットが飾られています。ベーブ・ルースのバットがモデルなんだとか。

野球少年やかつて野球少年だった大人にとっては聖地的な場所なのだろうと思います。

尚、この街区はBourbon Districtと呼ばれ非常に歩きやすいエリアです。高層建築も少なく、どでかいバットも目印になるので迷うことなくたどり着けると思います。

ルイヴィル・スラッガー社は1884年創業、140年近くの歴史を誇る老舗バット・メーカー。これまでベーブ・ルースやデレック・ジーターら米大リーグの歴史を鮮やかに彩ったスター選手が愛用したバット・メーカーとして知られています。

せっかくだからということで工場内ツアーにも参加したのですが、バットの製造過程を学ぶのみならず有名選手のバットの展示を見るのみならず、実際に触らせて貰えたりととても内容の濃いツアーでした。お土産にミニバットも貰えましたよ。


(博物館内部)


(バット製造機器を見学する)

この工場では年間180万本のバットが生産されているらしいです。後、ツアーで教えてもらったのですがプロの野球選手は年平均で120-130本のバットを消費するのだとか。凄い数ですよね。

デレック・ジーターのバットを持たせてもらいました。私は野球はそれほど詳しくはないのですが、小学校の頃は放課後によく野球をしており、当時はヤンキースのジーターが大好きでした。

ベーブ・ルースの使ったバットも持たせてもらいました。他にも有名選手のバットが触れますよ。これ、コアな野球ファンからしたらたまらない経験なのだと思います。

こちらはベーブ・ルースが使用したバットと彼がルイヴィル・スラッガー社にあてた直筆の感謝状です。「僕のこれまでの記録はルイヴィル・スラッガーとの歩みそのものだった。」と記されています。

バーボンを巡る旅でしたが、アメリカの野球文化についても学ぶことが出来た想い出深い旅となりました。

個人的おすすめボトル2選

最後にオーソドックスなボトルをご紹介しておきますね。

エンジェルズエンヴィのボトルはラインアップも少なく、日本未入荷のものが多いのですが、この2本は日本でも入手可能です。新進気鋭のクラフトバーボン、是非味わってみて下さいね。

エンジェルズエンヴィ ポートフィニッシュ 750ml

「ポートフィニッシュ」の名の通り、最高6年熟成の原酒をポルトガルから直輸入したフレンチオークのポートワイン樽で更に3~6か月熟成したバーボン。

バニラと香ばしいトースト感の合間から、ポートワイン樽の追加熟成によるビターなニュアンスが見え隠れします。アルコール度数も43.3%、まろやかな口当たりでおそらく初心者の方でも飲みやすい一本だと思います。

今日は軽めのバーボンを飲みたいなという人にもおススメかなと思います。

エンジェルズエンヴィ フィニッシュドライ 750ml

こちらはライ・ウイスキーです。カリビアンラムの空樽で18ヶ月間追加熟成するのが特徴的で、アルコール度数は50%。

スパイシーさが目立つウイスキーですが、キャラメル、バニラ、メープルシロップといった甘さも複雑に混ざり合っています。フィニッシュはドライな印象です。

最後に

今日はここまで。いかがでしたでしょうか?
次回はオールドフォレスター蒸留所についてご紹介します。お楽しみに!

最後までお読み頂き、有難うございました。

※記事の情報は2019年9月21日時点の情報です。

人気記事 アメリカのデザイン大学院留学 – 受験対策③TOEFL

人気記事 ハーバード大学デザイン大学院 (GSD) のアーバニズム教育