トルストイ – 死の先にあるもの

雑記


先ほど、ジェイ・パリー二『終着駅 トルストイ最後の旅』(新潮社 2010年)を読み終えました。最近では、一番時間をかけて読んだ書物かもしれません。
そのせいか今も、余韻に浸っています。実際のところ、まだ上手く咀嚼しきれていません・・・。

晩年のトルストイが必至に筆を握り、あるいは身の回りの人々に吐血しながらも伝えようとしたこと。
それは、死後に遺るものが「魂」だけであるということを認め、地位、権力や肩書きといった一過性のものではない自らの「人間」としての生き方を問い続けることであったと思います。
そして、その最たるものが「愛」である、と。

この本の中では、一つの愛の終わりが描かれます。と同時に、新しい愛の萌芽も見てとることができます。
人は愛無くして生きられない」そんな著者の力強いメッセージが伝わってきます。500ページに渡る長編小説ですが、トルストイ好きの方は是非ご一読ください。

読後感を書いていると、久しぶりにトルストイと話してみたくなりました。トルストイ晩年の著作『光のあるうち光の中を歩め』が本棚から物言いた気にこちらを伺っているような気がします。

現在もなお文豪と呼ばれるトルストイ。そんな彼と対話できる喜びを存分に噛み締めたいと思います。

それにしても、秋の夜は良いものですね。
皆様も素敵な夜をお過ごしください。

(2010年夏 フランス ルーアン大聖堂にて撮影)

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