エディンバラ大学留学を終えて – Stay Awesome

エディンバラ大学


「ねえ、たかふみはエディンバラを日本と同じように自分のホームだって感じる?」
帰国を数日後に控えたある日、仲良くしていたフランス人の女の子にそう尋ねられた。

「うん。そう思うよ。」深い意図はないのだろう。そう思って軽く応えておいた。

次の日一緒にご飯を食べていたら彼女がふと思い出したように言う。
「ホームって家族がいないとホームじゃないのよ。」

色んな感情が込み上げてきて言葉に詰まった。

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帰国前の1週間はこれまでにないほどの快晴。
「この一年間、勉強も、ラグビーも、遊びも、恋愛もよぉ頑張ったな。
次お前がどうするんか知らんけど、まぁ自分に正直に頑張れよ。」
雲一つない澄み切った青空がそう言ってくれているような気がした。

「お前どんだけおんねん。いや、でも明日またライブラリーでな。はは。」
夜中の2時。人気の少なくなったライブラリーで、仲の良いスコットランド人と試験前のお互いの忙しさをからかうことはもう無いかもしれない。

古くさいパブに色んな国籍の友達と毎晩のように繰り出しては、美味いビールを飲んで語って。
ちょっとした学校生活や恋愛の話題から、気付けばいつの間にかウイスキーの助けを借りて世界の政治経済について腹を割って意見を交わしていた。
なんてことも日本ではあまり無いかもしれない。

部屋を貸し切って店が提供できるありたっけのビールを飲み散らかして、最終的にラグビー部は男100人弱が全裸になって肩を組んでわけのわからない歌を歌う。
そんなことを日本の居酒屋でやると、もしかしたら捕まるかもしれない。
いや、そもそもイギリスでも捕まるのかもしれない。

でっかいスズメバチが昼寝の最中に入ってきて、すぐさま臨戦態勢をとらないといけない。
なんてことは山奥にでもいかない限りないかもしれない。
試験中にカモメのうるさい鳴き声に集中力が邪魔されることもないだろう。
学校まで歩く途中でイギリスお得意の緊急的どしゃ降りにうたれ、髪の毛から服から全部びちゃびちゃになって授業の議論に参加、なんてこともないだろう。
まずかった寮の食事も、もう食べなくてすむだろう。

なぜだろう。
でも、今はあれだけまずかった寮の食事でさえ恋しくなるような気がしている。
別れて嫌いになったかつての恋人との思い出が時間を経て美化されてくるように。

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これから10週間ほどは、昨年アメリカで面接を受けた企業でインターンをさせていただく予定。
辛いこともあるだろう。
そんなときは一年間仲良くしてくれたフィンランド人の女の子がくれた言葉を思い出すことにする。
自分のことは自分が一番わかっているようなつもりになりがちだけれど、本当の友達はちゃーんと自分のことをよくみてくれている。

“I’m sure you will find a way to enjoy your life wherever you are and whatever you are doing, you just seem like that kind of person : )”

日本で今やりたいことを一通りやったら、また海を渡ろうと思う。
世界は広いし、日本にいるだけじゃもったいない。
世界中にいる懐かしい顔にまた会えるのを楽しみに。

ありがとう、エディンバラ。

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